元の言語のページへ戻りました

簡単な滴定であっても自動化を検討する価値がある理由

2020/04/27

記事

このコラムをお読みの方は、電位差滴定の一般的な原理をすでにご承知のことと思います。多くのラボではクロマトグラフィ法や分光法が好まれていますが、今でも滴定法は様々な種類のサンプルを分析する方法として用いられています。滴定法が他の分析手法と一線を画すのは、それが絶対的な手法(一次法とも呼ばれる)だからです。分析対象物が既知の試薬と化学量論的に反応する場合、滴定法は公的な分析規格に限らず、常に選択される分析方法となります。

現在、滴定法は私が学生だった頃とは比べものにならないほど近代的になっています。当時はまだガラスビュレットと指示薬を用いており、一貫性のない測定結果に悩まされていました。今では、ほとんどのラボで滴定装置自体が滴定溶液の自動添加と終点の自動認識を行っておりますが、まだ多くの手動による作業があり、それがうまくいかずに信頼できない測定結果につながることがあります。

How to avoid titration errors in your lab

スタンドアロン型の滴定装置を用いている場合、測定はラボの分析技術者にとって装置につきっきりの仕事となります。サンプルを準備するだけでなく、電極とビュレットチップを測定溶液に浸漬させた後、滴定を開始しなければなりません。滴定装置を用いる場合、滴定溶液の添加と測定結果の計算は自動的に行われますが、測定終了後の洗浄や次のサンプルの準備は、依然として分析技術者の仕事となります。多くの場合、滴定に要する時間は3~5分もかかりません。この短時間のため、滴定中に分析技術者が完了できる他の作業は、そう多くはありません。

完全自動化された滴定システムを用いると分析作業の効率が向上するだけでなく、より優れた再現性の高い測定結果も同時に実現することができます。

2020/04/27/titration-automation/5

貴重な時間を節約する

時間の節約は、自動化システムを使用する最大のメリットの1つです。節約できる時間の一般的なところを知るには、この図をよく見てください。自動滴定装置がどれだけのステップをこなし、分析技術者がより多くの時間を他の作業に割くことができるか、おわかりいただけると思います。

適切な分析は、正しい液体のハンドリングから始まります。