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近赤外分光法 (NIR) によるパーム油のスクリーニングと品質管理

2023/10/02

記事

パーム油はアブラヤシ(Elaeis guineensis)の果実から採れる食用油で、アブラヤシの木は熱帯地方でしか育たちません。アブラヤシはアフリカ原産ですが、東南アジアに持ち込まれたのはほんの1世紀ほど前のことです。現在、インドネシアとマレーシアのアブラヤシ農園は、世界中で使用されるパーム油の85%以上を供給しています [1]。

高品質の粗パーム核油と粗レッドパーム油は加工され、様々な製品に使用されます。各種産業で使用されるパーム油の一定の規格を満たすためには、スクリーニングと品質管理が重要となります。そのための簡単な方法の一つが近赤外分光法(NIR) です。

パーム油の用途は?

パーム油は、ピザ、インスタントラーメン、アイスクリームなどのお菓子から、デオドラント、シャンプー、歯磨き粉、口紅などのパーソナルケアや化粧品に至るまで、包装された消費財の50%以上に含まれています [2]。セッケンや洗剤のような洗浄剤も例外ではありません。このどこにでもある油は、世界の多くの地域で家畜の飼料やバイオ燃料としても使用されています(図1)。