カンナビジオール(C‐B‐D)は、多くの製薬、食品、化粧品に使用され人気のある自然療法です。CBDは、大麻植物に含まれる100を超える化学化合物の1つに過ぎません。テトラヒドロカンナビノール(THC)とは異なり、CBDは精神作用がありません。この特徴からCBDは、マリファナや樹脂濃縮の摂取に伴い精神に作用することなく、痛みやその他の症状の緩和を求めている人々にとって、魅力的な選択肢となっています。CBDオイルは、化合物を植物から抽出し、次いでキャリアオイル(例えば、ココナッツオイルまたはヘンプシードオイル)で希釈することによって製造されます。
標準的なHPLC法は、熟練した分析者が測定に45分かけて行います。HPLC法とは対照的にVis-NIR分光法は、オイル中のカンナビノイド含有量を測定するのに費用効率が高く、迅速な分析方法といえます。
3種類のCBDキャリアオイル(ヘンプ、魚、MCT (中鎖トリグリセリド)オイル)の17試料をDS2500リキッドアナライザーで透過測定しました。再現性のあるスペクトルを得るために温調を40 ℃に設定しました。サンプル容器の洗浄を不要にするため光路長8mmの使い捨てバイアルを使用しました。全てのデータ取得と検量線モデル開発には、MetrohmソフトウェアパッケージVision Air Completeを使用しました。
機器 | 製品番号 |
---|---|
DS2500リキッドアナライザー |
2.929.0010 |
DS25008mm バイアルホルダー | 6.7492.020 |
8 mm使い捨てバイアル | 6.7402.000 |
Vision Air 2.0 Complete(ソフトウェア) | 6.6072.208 |
測定した17種類のVis-NIRスペクトル(図2)すべてを用いて、カンナビノイド含有量の検量線モデルを作成しました。検量線モデルの品質は、クロスバリデーションを用いて評価され、Vis-NIR予測値と一次法値の間に非常に高い相関性が示されました。それぞれの性能指数(FOM)は、ルーチン分析中の予測性能を表示します。
性能指数 | 値 |
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R2 | 0.959 |
Standard error of calibration | 0.99% |
Standard error of cross-validation | 1.21% |
このアプリケーションノートでは、DS2500 リキッドアナライザーを使用して、CBD オイル中のカンナビノイド含有量を測定することが可能であることを実証します。
HPLC法(表2)と比較すると、1回の測定を1分以内に行うため、測定時間が短いことがNIR分光法の大きな利点といえます。
測定項目 | 測定方法 | 結果までの時間とワークフロー |
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カンナビノイド含有量 | HPLC | ∼5 min (前処理) + ∼40 min (HPLC) |