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近赤外(NIR)分光法によるパルプおよび製紙の品質管理と製品スクリーニング

2024/01/15

記事

紙を作るのに、葦、亜麻、綿、さらにはバガス(サトウキビパルプ)など、あらゆる種類の材料を用いることができますが、ほとんどの紙は処理された木材繊維から作られています。この目的のための木材の加工は、パルプ工場や製紙工場で行われ、化学薬品と大量のエネルギーが使われています。スクリーニング(選別)と品質管理(QC)は、木材から製紙製品に至るまで、製造工程全体で講じるべき重要な工程です。このコラムでは、近赤外分光法(NIRS)がパルプと紙の製造工程において、いくつかの重要なQCパラメータを同時にモニタリングできることを説明します。

 

 

パルプ・製紙業界について

パルプ、製紙業界は、さまざまな種類の木材から得られるセルロースベースの製品を生産して販売しています。パルプ、製紙工場では、機械的または化学的方法により木材を加工し、あらゆる用途のさまざまな紙製品を生産しています。

図1は、2019年の世界の製紙・ティシュ・板紙の国別生産シェアを示しています[1]。中国が最大のシェアを占め、米国、ブラジル、日本が続きます。これら5カ国で世界の生産量の半分以上を占めています。

Global paper, tissue, and board production share by country in 2019. Source: Statista
図 1. 2019年の世界の製紙、ティッシュ、板紙の国別生産量 [1]