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イオンクロマトグラフのメンテナンスインターバール(消耗品の交換時期等)については、IC: Maintenance intervals(日本語版)をご覧ください。

キャピラリーの切断

キャピラリーカッター (6.2621.080) は、PTFEとPEEK配管をカットするのに適しています。洗浄量やデッドボリュームを少なくするために、配管が長くならないように注意してください。PEEKフィッティング接続部のデッドボリュームを最小限にするために、キャピラリーカッターを正しく使用することが重要です。
カッターには角度のついた面(1)と、垂直の面(2)があります。正確にカットするためには、垂直の面を使用してください。

PEEK 圧力スクリュー

  1. 短い PEEK圧力スクリュー (6.2744.070):標準スクリューはカラムに接続するPEEK配管用
  2. 中間の長さのPEEKフィッティング (6.2744.014; 6.2744.010):インジェクターに接続するPEEK配管用
  3. 長いPEEK圧力スクリュー (6.2744.090):MCSまたはサンプルデガッサーに接続するPEEK配管用

一度使ったPEEKフィッティングは先端径が新品に比べて細くなっています(1)。細くなってしまった先端は、ステンレス製の同じ配管径のツールを使って広げることができます(2)。これにより、PEEKフィッティングを再利用することができます。

配管は、接続する場所によってPEEKフィッティングの先端の長さが異なります。ビデオの例は、通常の接続(1)とインジェクションバルブ(2)への接続例です。フィッティングの先端から十分に配管を伸ばし、接続することが重要です。

ICシステムの立ち上げ

新しい溶離液を準備してください。別のカラムを使用してICシステムを稼働させる場合、カラムの代わりにカップリング 6.2744.040)を繋げてください。

新しく準備した溶離液をシリンジで吸引してください。この時、パージバルブを半回転させて開放し、ソフトウェアを使って高圧ポンプをマニュアルウインドウからスタートさせます。溶離液から高圧ポンプまでのチューブにエアーがないことを確認した後、再びパージバルブを閉めます。

安定したベースラインが得られるまで送液を続けます。その後、カラムを取り付けてください。

カラムが接続されていない状態でのシステムの圧力は、システム構成によって異なります。流速1 mL/minの設定では次のようになります:

  • ノンサプレスト式 < 1.0 MPa
  • ケミカルサプレスト式(MSM) < 1.5 MP
  • シーケンシャルサプレスト式(MSMおよびMCS) < 2.5 MPa

ガードカラムと分離カラムは、一つずつ順番に取り付けます。取り付ける際は、高圧ポンプを稼働させ、カラムから溶離液が出てくることを確認してください。カラムが完全に溶離液で置換されるまで数分間ポンプを稼働させます。カラム接続が完了した後ポンプを停止します。

分析開始の準備完了後、「機器開始」を押してシステムを稼働させます。ベースラインが安定するまで待ちます。システムから液漏れがないことを確認してください。ベースラインが安定したら、分析を開始します。

溶離液の変更

分離カラムとガードカラムを取り外し、カラムの両端をストッパー(6.2744.060)で密栓してください。カップリング(6.2744.040)で配管を繋ぎます。流路を超純水で10分間(流速1 mL/min)洗浄します。


超純水ボトルを取り外し、アスピレーションフィルターを交換します。エアーの混入を防ぐために、新しいアスピレーションフィルターを溶離液で湿らせてください。アスピレーションフィルターは溶離液チューブに取り付けます。

注意!この作業を行う際は、溶離液の汚染を防ぐために手袋をご使用ください。

システムをサプレスト式からノンサプレスト式に変更する場合、配管の接続を変更します。検出器の入口配管をMCSから取り外してカラムオーブンにある穴に配管を通します。次に、MSMに繋がっていたPTFE配管の代わりに検出器の配管をカップリングに接続します。フリーになったMSMとMCSの部分はカップリングおよびストッパー(6.2744.060)で密栓してください。

アスピレーションフィルターの交換、MSMおよびMCSを流路から取り除いたことを確認した後、新しい溶離液で10分間(流速1 mL/min)送液し、システム全体を洗浄します。その後、新しいカラムを取り付けることができます。

重要:陽イオン分析ではアスピレーションフィルターを新しいものに交換する必要があります。

ガードカラムと分離カラムを順番に取り付けます。カラムが完全に新しい溶離液に置換されるまで数分間ポンプを稼働させます。カラム接続が完了した後、ポンプを停止します。

「機器開始」を押してシステムを稼働させます。ベースラインが安定するまで待ちます。システムから液漏れがないことを確認してください。ベースラインが安定したら、分析を開始します。

ICシステムのシャットダウン

MagIC Netで「機器停止」を押してシステムを停止します。カラムオーブンの温度が室温まで下がり、圧力が0 MPaに落ちてから、分離カラムとガードカラムを取り外します。カラムの取扱い説明書には、カラムの最適な保管方法が記載されています。配管接続にはカップリング(6.2744.040)が必要です。

しばらく装置を使わない場合、カラムを取り外し、20 %メタノール溶液で10分間(流速1 mL/min)洗浄します。MSMの3流路もこの方法で洗浄します。これはバクテリア対策のためです。

ケミカルサプレッサ(MSM)内のポンプチューブは、超純水を回転速度「3」で5分間洗浄します。終了時にはペリスタリックポンプの送液調整レバーを緩めてください。

炭酸系溶離液の準備

溶離液ボトルは超純水で数回洗浄してください。2 Lの超純水を用意して脱気してください。超純水の規格はType1です(比抵抗 >18 MΩ* cm(25 ℃))。超純水に溶け込んでいるCO2が溶離液の炭酸濃度に影響するため、超純水の事前脱気は重要です。超純水は真空ポンプを用いて約5-10分間脱気します。

計量した炭酸塩と炭酸水素塩を加え、溶解するまでスターラーで撹拌します。その後、さらに1分間脱気します。これで溶離液が完成です。

CO2吸収剤の交換

溶離液炭酸吸収剤であるソーダライムは年に2回交換します。ソーダライムは綿で挟み込みます。綿は必要に応じて交換してください。

溶離液ボトルの接続

溶離液チューブを溶離液の蓋に差し込みます。その後、チューブの重り(6.2744.210)とアスピレーションフィルターを取り付けます。溶離液チューブの末端はアスピレーションフィルターの中心付近に届くように取り付けます。クランプスクリューはレンチ(6.2739.000)を使用して締め付けます。

注意!この作業を行う際は、溶離液の汚染を防ぐために手袋をご使用ください。

アスピレーションフィルターの交換

アスピレーションフィルター6.2821.090) は、少なくとも3ヶ月に1度または、黄色に変色した場合に交換してください。

注意!この作業を行う際には溶離液の汚染を防ぐために、手袋をご使用ください。

エアーの混入を防ぐために、新しいアスピレーションフィルターはシリンジを使用して溶離液で湿らせてください。湿らせたアスピレーションフィルターを溶離液チューブに取り付けてください。

注意!溶離液チューブはアスピレーションフィルターの中心まで差し込んで接続してください。

不安定なベースラインの要因(ノイズが大きい、流量の変動など)は、バルブの汚染やピストンシールの不良・漏れが原因であることがよくあります。そのため、定期的に高圧ポンプのメンテナンスを行うことが重要です。

ポンプヘッドの分解

ポンプヘッドを取り外す前に、必ずIC装置の電源を切ってください。その後、チューブの接続とキャピラリーを取り外します。溶離液チューブは、溶離液が漏れないようにストッパーで密栓します。サイズ4 mmの六角レンチ(6.2621.030)を使用してポンプヘッドを取り外します。

ピストンシールの交換

オレンジ色のピストンシールは、工具を使用して簡単に引き抜くことができます。この作業でシールはダメージを受けますので、取り外したシールの再利用はできません。新しいピストンシールを70%イソプロパノールに浸すことで、ピストンの摩擦運動をスムーズにすることができます。ピストンシールは工具を使用して慎重に取り付けてください。その後、ポンプヘッドを元に戻して再度装置に取り付けます。

Macro pump head:

Standard pump head:

インレットバルブ / アウトレットバルブ

ベースライン変動の原因は、高圧ポンプのインレットバルブまたはアウトレットバルブによるものが多いです。両側からバルブに水を注入して、バルブの機能を確認します。液体は流れ方向(→)にしか流れません。必要に応じてバルブを交換してください。

インレットバルブ:6.2824.170

アウトレットバルブ:6.2824.160

ポンプのエアー抜き

新しく準備した溶離液をシリンジで吸引します。パージバルブを半回転まわして開き、ソフトウェアのマニュアルウインドウから送液を行います。溶離液から高圧ポンプまでのチューブ内にエアーがないことを確認したら、パージバルブを閉めます。

流速1 mL/minのシステム圧力(カラムなし、電気伝導度検出器付き)は次のとおりです:

  • ノンサプレスト式 < 1.0 MPa
  • ケミカルサプレスト式 (MSM) < 1.5 MPa
  • シーケンシャルサプレスト式 (MSMおよびMCS) < 2.5 MPa

パージバルブの開放

圧力が急激に低下すると、カラムにダメージを与えます。そのため、初めにMagIC Netで「機器停止」を押してシステムを停止します。圧力が0 MPaまで下がったら、パージバルブを半回転まわして開きます。

インラインフィルターはカラムやサプレッサに対して溶離液からの粒子の混入などを防ぐために役立ちます。

インラインフィルターの交換

インラインフィルター(6.2821.130)は、3ヶ月ごとに交換してください。カップリング(6.2744.180)内のフィルターも同様です。

注意!交換時フィルターを破損しないようにしてください。。

メタルフリーのインジェクションバルブで、サンプル容量を測り取ります。

バルブの洗浄

ステーターとローターは、9/64六角レンチ(納入時キットには含まれていません)を使用して取り外すことができます。このパーツは、超音波洗浄器を使用して20%メタノールで10分間洗浄します。

分離カラムは、イオンクロマトグラフィの心臓部と言えます。日々の適切なカラムの取扱いが正確な結果とカラム寿命の延長に繋がります。

iColumns

iColumn 機能:

  • MagIC Netソフトウェアによる自動認識
  • すべてのカラムデータが利用可能(最大許容圧力、最大計測圧力、最大許容流量、最大計測流量、運転時間、注入回数など)
  • すべてのカラム機能のモニタリング
  • すべてのカラムパラメータのトレーサビリティ

その他の追加情報は、ICカラム検索ファインダーをご覧ください:

イオンクロマトグラフ用カラム検索

新しいカラム(ガードカラム)への交換

最初に、古いガードカラムと分離カラムを取り外します。その後、ガードカラムと分離カラムを1つずつ順番に取り付けます。この作業は、溶離液を送液しながら行います。

「機器開始」を押してシステムを稼働させます。システムから液漏れがないことを確認してください。ベースラインが安定したら、分析を開始します。

RP2 ガードフィルターの交換

RP 2ガードカラムに組み込まれたフィルターとフリット(6.1011.130)は、少なくとも4週間ごとか、圧力が急上昇した場合に交換してください。フィルターとフリットは傾けずに平面になるように取り付けてください。

カラムの保管

MagIC Netで「機器停止」を押してシステムを停止します。圧力が0 MPaになり、分離カラムとガードカラムが室温に戻ってから取り外してください。

カラムの最適な保管方法は、カラムカタログを参照してください。一般的に、カラムは溶離液を封入して保管します。配管を接続するには、カップリング(6.2744.040)が必要です。

溶液の分注とサンプル前処理の完全自動化は、正確で再現性の高い分析結果を得るための重要な工程です。

ドジーノビュレットの洗浄

ドージングユニットのピストンとシリンダーは定期的(例えば半年ごと)にチェックしてください。ドージングユニットを分解する前に、必ずシリンダー内を空にしてください。MagIC NetのマニュアルウインドウでEmptyコマンドを使用することでシリンダー内を空にすることができます。その後、全ての接続配管を取り外します。MSMの再生にドジーノを使用している場合、ビュレットの洗浄に加えて、インラインフィルターの交換を推奨します。

これでシリンダーとピストンの状態を確認することができます。ガラスシリンダーが腐食していないこと、ピストンのプラスチック製カバー(PTFE)に損傷がないことを確認してください。ピストンはExtractor rod(6.1546.030)を使用して取り外すことができます。

注意!シリンダーをシリンダー底部から絶対に切り離さないでください。

これで全ての部品を洗浄することができます。研磨剤は使用しないでください。洗浄後、自然乾燥させてください。

もしパーツ同士がくっついている場合、無理に引き離さないでください。また、パーツを超音波洗浄機に入れないでください。ドージングユニットを超純水に数分間浸します。その後、ねじらずにパーツを手で慎重に緩めてください。

センターリングチューブとハウジングがスライドする表面にパラフィンオイル(6.2803.010)を塗布します。

注意!組み立て中にシリンダーとピストンが損傷しないようにしてください。

ピストンストッパーは、ハウジングの上端と同一平面上になるようにしなければいけません。これを行うために、まずドージングユニットを逆さまにし、テーブルの上に押し付けます。次に、三角マークが揃っているかどうかを確認します。必要に応じて、三角マークが揃うように回転させてください。

ある特定のアプリケーション(例えば溶離液自動生成)では、吸収チューブをVentコネクターに接続することをお勧めします。吸収チューブ内のソーダライムは、年に2回交換する必要があります。

ろ過/ダイアリシスメンブラン

ダイアリシスメンブランとろ過メンブランは定期的に点検し、必要に応じて交換してください。チェックスタンダードの回収率が低下している場合は、交換してください。チェックスタンダードは、5~10検体ごとに測定することを推奨します。セルは5 mmの六角レンチ(6.2621.070)を使用して開けることができます。

ダイアリシスセル・ろ過セルは、超純水で洗浄してください。必要に応じて30/70のエタノール/水で洗浄することができます。アセトンなどの他の有機溶媒は、セルにダメージを与えます。セルは糸くずの出ない布で拭き取って乾燥させてください。

新しいダイアリシス、ろ過メンブランは、ピンセット(6.2831.010)で取り扱ってください。また、使用前はペトリ皿に入れた超純水に浸してください(約2分間)。水色の分離用紙は取り除いてください。ネジ止めは対角線順に締めてください。紙を取り除く必要があります。ネジは対角線上で締める必要があります。

6.2714.010 ダイアリシスメンブラン(酢酸セルロース)

6.2714.030 ダイアリシスメンブラン(ポリアミド)

6.2714.020 ろ過メンブラン(再生セルロース)

配管接続にはPVDFネジ(6.2744.000)を使用してください。PEEKネジを使用すると、セルに圧力がかかり亀裂が生じる可能性があります。セルから液漏れがないか確認し、セル内部にエアーが入らないようにしてください。

メトロームサプレッサモジュール(MSM)は、陰イオンおよび陽イオン分析においてケミカルサプレッションに使用されます。これにより、バックグランド電導度が低下して分析精度が向上します。

MSMの再生

MSMが長期間汚染物質にさらされた場合、MSMの性能が低下し、ベースラインの上昇やピーク形状が非対称になる原因になります。

このような場合、MSM Rotorの3つのチャンバーすべてを以下の手順で再生します。

MSM-HC Rotor A(6.2842.000)/ MSM Rotor A(6.2832.000)/ MSM-LC Rotor A(6.2844.000)/ SPM Rotor A(6.2835.000)の再生手順は次のようになります:再生(再生液)用の配管をカップリング(6.2744.040)を使って高圧ポンプに接続します。この方法で、3つのチャンバーすべてを1 mL/minで洗浄することができます。

MSMが汚染していても背圧上昇がみられない場合、MSM再生はペリスタリックポンプで実行できます。

  • MSM / MSM-LC / SPM: 15 min
  • MSM-HC: 45 min

以下の溶液が推奨されます:

  • 重金属汚染や背圧の上昇:1 mol/L H2SO4 / 0.1 mol/L シュウ酸
  • 有機カチオン性錯化剤による汚染:0.1 mol/L H2SO4 / 0.1 mol/Lシュウ酸 / アセトン 5%
  • 有機物による重度の汚染:0.2 mol/L H2SO4 / アセトン 20%以上

その後、MSM Rotorの3つのチャンバー全てを超純水で洗浄してください。

追加情報:

Leaflet for IC Anion Suppressor (8.110.8010, PDF, 344 KB)

MSM-HCローターC(6.2842.200

オプション A:

  1. 再生液を停止します。
  2. MSMが完全に飽和するまで(電気伝導度の大幅な上昇が確認できます)溶離液でシステムを洗浄します。通常条件では、最大240分かかります。
  3. 次のチャンバーへ回転させ、ステップ2を繰り返します。
  4. 最後のチャンバーでステップ3を繰り返します。
  5. 3つのチャンバーがすべて完全に飽和したら、再び再生液を通液します。
  6. システムを通常通りに戻します。

オプション B:

  1. 2 mL容量のドージングユニットまたはペリスタリックポンプを使用して、すべてのチャンバーを洗浄します。洗浄には2 mol/L HNO3を最大流量5 mL/minで送液します(トータルで約150 mL送液)。その際、MSM Rotorを5分ごとに回転させます。
  2. 各チャンバーを標準再生液で50 mLずつ洗浄します。
  3. システムを通常通りに戻します。

追加情報:

Leaflet for the MSM-HC C Rotor (8.110.8021, PDF, 295 KB)

ペリスタリテックポンプチューブ

ペリスタリックポンプチューブは時間とともに劣化します。接触圧を定期的に確認し、劣化が激しい場合にはチューブのポジションを変更することを推奨しています。必要に応じてペリスタリックポンプチューブを交換してください。ペリスタリックポンプチューブの出口側(6.2744.180)にフィルター (6.2821.130)を取り付けてください。ペリスタリックポンプチューブの先端はチューブニップル(6.2744.034)の先端から少なくとも三つの溝まで差し込んでください。

チューブ取り付け後に送液調整レバーを引き上げます。送液調整レバーをゆっくりと上げて液が流れるまで待ちます。液が流れたら、さらに送液調整レバーを2段階引き上げます。

インラインフィルターの交換

ペリスタリックポンプチューブのインラインフィルター (6.2821.130) は、3ヶ月ごとまたは、背圧が大きくなった場合に交換してください。

MSMのクリーニング

MSMが液漏れした場合、ユニットを取り外して洗浄を行います。MSM Rotorとの接続している面は、糸くずの出ない布を使ってエタノールできれいに表面を拭き取ります。

注意!:MSM Rotorは正しい位置に取り付けてください。

再取り付け後は、背圧をモニタリングする必要があります。流速 1 mL/minの場合のシステム圧力(カラムなし、導電度検出器付き)は次のようになります:

  • ノンサプレスト式 < 1.0 MPa
  • ケミカルサプレスト式(MSM) < 1.5 MPa
  • シーケンシャルサプレスト式(MSMおよびMCS) < 2.5 MPa

ユニットの締めつけ具合は非常に重要です。はじめは指で閉まるくらいの強さで締め付けます。次に、やや力を加えて(約3/4回転)最後まで締め付けます。

ドジーノの再生

ドジーノを使用してMSMの再生を行う場合、インラインフィルター(6.2821.130)は3ヶ月ごとに交換する必要があります。さらに、ドージングユニットは定期的に点検し、洗浄してください。

ドージングユニットのピストンとシリンダーは定期的に点検することが推奨されます(例:半年ごと)。ドージングユニットを分解する前に、必ずシリンダー内を空にする必要があります。MagIC NetのマニュアルウィンドウでEmptyコマンドを使用することでシリンダー内を空にすることができます。その後、すべての接続配管を取り外します。

これでシリンダーとピストンの状態を確認することができます。ガラスシリンダーが腐食していないこと、ピストンのプラスチック製カバー(PTFE)に損傷がないことを確認してください。ピストンはExtractor rod(6.1546.030)を使用して取り外すことができます。

注意!シリンダーをシリンダー底部から絶対に切り離さないでください。

これで全ての部品を洗浄することができます。研磨剤は使用しないでください。洗浄後、自然乾燥させてください。

もしパーツ同士がくっついている場合、無理に引き離さないでください。また、パーツを超音波洗浄機に入れないでください。ドージングユニットを超純水に数分間浸します。その後、ねじらずにパーツを手で慎重に緩めてください。

 

センターリングチューブとハウジングがスライドする表面にパラフィンオイル(6.2803.010)を塗布します。

注意!組み立て中にシリンダーとピストンを損傷しないようにしてください。

ピストンストッパーは、ハウジングの上端と同一平面上になるようにしなければいけません。これを行うために、まずドージングユニットを逆さまにし、テーブルの上に押し付けます。次に、三角マークが揃っているかどうかを確認します。必要に応じて、三角マークが揃うように回転させてください。

ある特定のアプリケーション(例えば溶離液自動生成)では、吸収チューブをVentコネクターに接続することをお勧めします。吸収チューブ内のソーダライムは、年に2回交換する必要があります。

メトロームCO2サプレッサ(MCS)は、MSMの後に取り付ける連続的なサプレッサです。MCSは、溶離液中だけでなくサンプルに含まれているCO2も一緒に除去します。これによりウォーターディップや炭酸塩ピーク(=システムピーク)が低減されます。

CO2 吸収カートリッジ

CO2 adsorption cartridge

CO2吸吸カートリッジは定期的に目視で色を確認してください。カートリッジが劣化すると紫色に変色します。新しいカートリッジは図のように白色です。CO2吸吸カートリッジは毎年交換することを推奨しております。新しいカートリッジの注文番号は 6.2837.100 です。

電気伝導度検出器

Conductivity detector

電気伝導度検出器はメンテナンスフリーです。

UV/VIS 検出器

アプリケーションによっては、目には見えない堆積物がレンズに蓄積されることがあります。これにより、吸光度が高くなり、ベースラインが不安定になることがあります。この不具合がシステムの他のパーツによるものでない場合、フローセルを洗浄する必要があります。洗浄には、次の3つの方法があります:

  1. メタノールでフローセルを洗浄する。
  2. 別の溶媒(例:酢酸とイソプロパノールを1:2の比率で)でフローセルを洗浄する。
  3. フローセルを分解し、レンズを清掃する。

フローセルを分解してレンズを清掃するためには、シール(6.2764.000)を交換する必要があります。その際、マイナスドライバー(サイズ5)と糸くずの出ない布が必要です。レンズを取り扱う際には、傷がつかないように注意してください。フローセルの両側のレンズを清掃してください。

注意!レンズの平らな面を奥に向けてください。

イオンクロマトグラフィでは、アプリケーションに応じてさまざまな検出器が使用されます。この章ではアンペロメトリック検出器について解説します。これは特に糖の分析に適しています。

スタートアップ

アンペロメトリック検出器に、測定セル一式を挿入します。すべての電極ケーブル、インレット/アウトレットキャピラリーが接続されます。

初回のスタートアップ時、特にGlassy Carbon作用電極の使用時に参照電極チャンバーの追加脱気を行うことを推奨します。セル内に気泡が入らないようにするため、セルを開けるたびに脱気する必要があります。

注意!脱気中、測定セルはオフの状態にしてください。

ソフトウェアのマニュアル操作では、使用カラムの標準流速の半分で高圧ポンプを起動します。その後、オーブンとアンペロメトリック検出器の温度を上げます。漏出した溶離液は布で拭き取ります。

良好な測定結果を得るために、フロントカバーを取り付けてください。

注意!

キャピラリーを挟み込まないでください。

ケーブルを挟み込まないでください。

機器開始ボタンを押して測定セルをオンにし、システムを平衡化することができます。

スペーサーの交換

アプリケーションに応じて、測定セルは異なるスペーサーを用いて操作できます。スペーサーの交換には、2.5 mmの六角レンチを使用して測定セルを分解する必要があります。新しいスペーサーは、乾燥した、埃のついていない状態で装着します。

6.1257.810 スペーサー 50 µm、ウォールジェット型セル用

6.1257.820 スペーサー 50 µm、薄層型セル用

6.1257.830 スペーサー 25 µm、ウォールジェット型セル用

6.1257.840 スペーサー 25 µm、薄層セル型用

作用電極のクリーニング

電極は消耗品です。電極がそれほど腐食していない場合は、研磨を行うことで数十回程度は元の電極活性を取り戻すことができます。柔らかい布で拭いて日常的にチェックを行うほか、機械的なクリーニングを推奨します。手順は以下の通りです。

  1. 鉛筆の消しゴムを使用する:電極表面を鉛筆の消しゴムで丁寧に磨きます。
  2. 6.2802.000 研磨セットの酸化アルミニウム粉末を使用する:6.2802.000 研磨セットの酸化アルミニウム粉末を蒸留水と混合し、濃厚なスラリーを作成します。電極先端を8の字を書くように約10秒間研磨します。その後、蒸留水で洗い流します。Glassy Carbon電極と白金電極には、初期使用時には酸化アルミニウム粉末で活性化することを推奨します。
  3.  
    6.2802.200メンテナンスセットで平行面研磨を行う:6.2802.200 メンテナンスセットで、金属電極の腐食した表面の平行面を研磨することができます。作用電極は濡れた状態で研磨することが推奨されます。これにより研削ダストが飛散するのを防止します。また、全ての電極材料ごとに個別の研削ディスクを使用することが推奨されます。初期段階では粗い粒子を使用し、その後、より細かい粒子で研磨します。その際、電極を4回転ごとに目視で点検します。必要に応じてこの手順を繰り返します。均一な研磨を行うためには、各回転の間に電極を少なくとも2回、1/4時計回りに回転させます。

Leaflet on maintenance set for working electrodes 6.1257.2XX (8.110.8025, PDF, 197 KB)

動画では、クリーニング前(左)および後(右)の金電極が示されています。Glassy Carbon電極や白金電極の場合は目視で違いを見分けることができませんが、感度の低下がある場合にはクリーニングする必要があります。

補助電極のクリーニング

作用電極をセルから引き抜くと、補助電極をクリーニングすることができます。酸化パラジウム層の溶解を防ぐために、参照電極は必ず取り外してください。

柔らかい紙タオルまたは綿棒を2 mol/Lの硝酸に浸します。電極を丁寧に拭き取り、きれいにします。その後、測定セル全体を超純水で洗浄し、乾燥させます。

ヒント:硝酸による洗浄が十分でない場合は、補助電極をアルミ二ウムスラリーに浸した綿棒で同様にクリーニングすることができます。その際、セルを分解し、電極とスペーサーを取り外す必要があります。

燃焼ICシステムの燃焼管をクリーニングする方法を順番に解説します。

燃焼管の交換方法

燃焼法ICの燃焼管のクリーニング方法を解説します。

燃焼法イオンクロマトグラフィーシステムの燃焼管交換方法を手順を追って解説しています。
日本語字幕版動画はYouTubeまたはvimeoで公開しています。

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