AN-K-071
2021-01
容量法カール フィッシャー水分計による小麦粉、生地、パンの水分測定
Reliable and reproducible water content determination by volumetric Karl Fischer titration
概要
容量法カールフィッシャー水分計による水分測定は、特に食品の品質管理を行う上で重要な分析法の一つです。
水分含有量は微生物の増殖に大きな影響を及ぼすため、製品の貯蔵性に間接的に影響します。したがって、食品メーカーがこの試験項目を行うことは非常に重要です。
パン製造メーカーが高品質の商品を保証できるようにするには、原材料と最終製品の正確な水分含有量を定量化することが不可欠です。一貫した品質は製造工程において正確に測定することで可能となります。
この技術資料では、小麦粉、生地、パン・焼き菓子の水分測定をメトロームの容量法カールフィッシャー水分計Eco KF タイトレーターで行います。
サンプルとサンプル前処理
このアプリケーションでは、精白小麦粉、そこから作られたパン生地、および全粒粉パンの水分測定を行いました。
適切な量のサンプルをKF滴定容器で秤量し、無水メタノールを添加します。次にKF滴定容器を閉じ、24時間抽出します。ブランク測定はサンプルを入れず同様に行います。
実験
水分測定は、ホモジナイザー(Polytron:ポリトロン)、溶媒ポンプ、容量法水分測定用指示電極を備えたEcoKFタイトレーターを用います。
適切な量のサンプルをサンプルビーカーに注入し、サンプル分取量を秤量します。 あるいは、サンプルを直接秤量することもできます。 ただし、サンプルはポリトロンにより溶媒中で均質化され、カールフィッシャー滴定溶液で終点まで滴定されます。
測定結果
水分含有量と滴定曲線が得られます。
測定結果は 表1 にまとめられています。図2 に水分測定曲線例を示します。
サンプル (n = 6) | 平均水分濃度 H2O [%] | 変動係数 SD (rel) [%] |
---|---|---|
精白小麦粉 | 12.4 | 0.8 |
パン生地 | 34.7 | 0.8 |
全粒粉パン | 44.4 | 0.4 |
結論
カールフィッシャー水分測定は、小麦粉、生地、パン製品の水分含有量を測定するための正確で信頼性の高い分析方法です。
ホモジナイザー(Polytron:ポリトロン)、溶媒ポンプ、容量法カールフィッシャー指示電極を備えたEco KFタイトレーターを使用すると、サンプル前処理の有無にかかわらず、迅速で再現性のある測定が可能になります。
このシステムは、低価格でユーザーフレンドリーな取り扱いができます。装置に予めインストールされた測定メソッドにより、経験の少ないお客様でも、正確で迅速な水分測定を行うことができます。
Internal reference: AW TI CH1-1315-012021