AN-T-111
2020-10
自動滴定装置による食用油のけん化価の測定
Fully automated determination in canola and olive oil according to EN ISO, ASTM, AOAC, USP, and Ph.Eur.
概要
けん化価は、食用脂肪および油脂の特性評価と品質評価に使用される重要な指標です。さらに、けん化数は、含まれるすべての脂肪酸の平均分子量に関する情報を提供します。けん化価が高いほど、すべての脂肪酸の分子量は低くなります。
この技術資料では、菜種油(キャノーラ油)およびオリーブオイルにおけるけん化価の滴定による測定法について説明しています。この分析は、EN ISO 3657規格に従って実施されており、AOAC 920.160、ASTM D5558、USP<401>、およびPh.Eur. 2.5.6の規格を一部改変した方法に基づいています。電位差指示法を使用することで、幅広い種類の食用油に対して非常に高精度な結果を得ることができます。
「OMNISタイトレーターによる食用油の全自動分析」日本語字幕付き動画ご覧いただけます、
サンプルとサンプル前処理
分析はオリーブオイルおよびキャノーラ油(菜種油)をサンプルとして測定します。
適切な量のサンプルをコニカルフラスコに正確に計量し、エタノール溶媒中の水酸化カリウム溶液とともに60分間還流させます。ブランク測定では、同じ手順をサンプルを入れない状態でおこないます。
実験
分析は、OMNISシステムを使用して行いました。このシステムは、OMNIS Advanced Titrator、OMNIS Dosing Module、およびdSolvotrode電極で構成されています。
調製したサンプル溶液を室温まで冷却した後、ビュレットの先端および電極をコニカルフラスコに挿入します。エタノールを加えた後、標準化された塩酸を用いて滴定を行い、終点を超えるまで進めます。その後、電極をエタノールと脱イオン水で洗浄します。次に、電極を脱イオン水に浸してバルブ部分のみを1分間コンディショニングします。
結果
両方の油できれいなS字曲線の滴定カーブが得られました。結果は非常に再現性が高く、相対標準偏差は0.3%未満です。2つの油の結果は表1に示されています。
サンプルe (n = 5) | SN / (mg KOH/g) | SD(rel) / % |
---|---|---|
キャノーラ油 | 190.75 | 0.3 |
オリーブ油 | 193.52 | 0.2 |