ラマン分光計の活用方法－現場での原材料の入荷検査を簡素化 Part2
2021/03/29
記事
情報共有
原材料の識別と検証（RMID：Raw material identification and verification）は、非常に重要な理由から複雑なプロセスです。RMIDの複雑さは、分析技術や機器から試験プロセス、そしてシステムの適合性、サンプリングの範囲、方法の妥当性確認、電子記録など、RMIDのあらゆる側面を規制する政府の規制や基準まで、多岐にわたります。
規制産業における携帯型ラマンによる入庫材料の倉庫バリデーションでは、搬入口で直接RMIDを行うことができます。そのため、これまで、訓練された分析技術者がラボで行っていた化学分析が不要となり、今では、分析技術者でない者でも非常に迅速かつ成功裏にバリデーションを行うことができます。
システム適合性から始まり...
RMID用ハンドヘルド（携帯）型ラマン装置のメーカーは、適切な校正および検証ルーチンを提供しなければなりません。校正/検証アクセサリ(CVA)を使ったMIRA Pの校正は、装置校正とシステム性能の検証を行い、これらのテストをMIRA Pのシステム適合性検証(SST)レポートにまとめます。SSTの終了後、ユーザーはすべての測定が合意された標準に従っていることを保証されます。
メトローム インスタント ラマン アナライザー (MIRA) の機器校正、システム検証、パフォーマンス検証の詳細については、以下のホワイト ペーパーをご覧ください。
メトローム インスタント ラマン アナライザー (Mira) の機器校正、システム検証、パフォーマンス検証
米国薬局方(USP)に従った分析機器適格性確認(AIQ)は、機器が意図したとおりに動作し、ユーザーがデータ品質に自信を持つことを保証します。製薬業界では、受入材料の同定と検証にハンドヘルドラマン装置を採用しているため、このようなシステムの製造者は、適切な校正とバリデーションのルーチンを提供する必要があります。これらのテストが完了すると、エンドユーザーはすべての測定が合意された標準に従っていることを保証されます。
サンプリングの柔軟性...
RMID メソッドは、タスクに対して最も正確で堅牢なソリューションを作成するために、さまざまな要素に対応する必要があります。特に次の点を考慮する必要があります：
- サンプリング戦略: 特定の条件下で最高品質のデータをどのように収集するか
- サンプルのプレゼンテーション：形態、包装、化学的性質を含む
ハンドヘルド (携帯)型ラマンは、固体および液体サンプルのポータブルでオンサイトの非接触分析を可能にするため、RMID に特に適した技術として認識されています。
規制産業向け RMID パート I： 一般的な考慮事項では、サンプリングや評価の種類など、ハンドヘルド(携帯)型ラマンの基本的な用途について概説しています。メトローム ラマン は、あらゆるサンプル タイプで Smart Tips を使用してサンプリングを簡素化します。
RMID for Regulated Industries Part I: General Considerations
メソッド開発...
トレーニングおよび検証セットの構築、最高品質のスペクトルを収集するための具体的な推奨事項から、最適なモデル パラメータを自動的に決定する専用のソフトウェア ルーチンまで、MIRA P はハンドヘルド(携帯)型ラマンを使用した RMID のメソッド開発を効率化します。
RMID for Regulated Industries Part II: Method Development
RMID for Regulated Industries Part III: Method Robustness and Validation
メソッドの開発を成功させるには、RMIDに使用するライブラリやトレーニングセットにスペクトルを含める必要があります。モデルの設計段階で入念な計画を立てることで、データ収集が容易になります。このデータは、ロバストなメソッド開発のための最適なモデルパラメータを決定するために使用できます。Mira Cal PとModelExpertを使用すれば、専門家でないユーザーでも正確で効果的なRMIDメソッドを実施できます。
Mira Cal P と Model Expert を使用した簡素化された RMID モデル構築の詳細については、以下の技術資料(アプリケーション ノート)をご覧ください。
Simplified RMID Model Building: Mira Cal P and Model Expert
そして、メソッドの実行...
原料・材料試験の大半が受入エリアで行われる RMID にハンドヘルド(携帯)型ラマンを導入することは、このような強力な技術にとって当然のステップです。この技術は、いくつかの非常に現実的なメリットがあるからである。
- 大幅な時間の節約： 測定時間は1分未満で、測定結果が即座に明らかになるため、非常に高いスループットが実現します.
- より迅速な対応： 原料・材料をより早く生産現場に届けられます.
- リソースの削減： ラボや倉庫の人員、ラボの消耗品、コスト、作業量に対する需要が削減されます.
- ガイド付きワークフロー： MIRA Pの定義済みワークフローにより、サンプリングが簡単かつ効率的になります.
全面的なコンプライアンスと全幅の信頼を込めて.
MIRA Pに装置の完全性を保証するルーチンが組み込まれているように、Mira Cal Pは顧客のデータの完全性を保護し、世界的な規制や標準への準拠を簡素化するように設計されています。すべてのRMIDの顧客は、データが完全で、一貫性があり、正確であることを求めますが、Mira Cal Pは、完全な透明性とトレーサビリティにより、これを超えています。
メトローム ラマン の Mira Cal P 分析ソフトウェアは、すべてのデータ処理が複数の標準に準拠していることを確保していますので、安心してお使いできます。データの完全性に関する詳細は、パンフレットをご覧ください。
Peace of mind with Mira Cal P – Compliance with the Data Integrity Guidelines made easy
RMIDは複雑なプロセスです。ハンドヘルド(携帯)型ラマンがどのように、最もシンプルで効率的、かつ正確なRMIDを提供できるか、詳細をご覧ください。
White Paper: AIQ for Mira analyzers
Download this White Paper to learn more about the AIQ routines for Mira analyzers:
