イオンクロマトグラフ向けサンプル前処理テクニック
メトロームのインラインサンプル前処理テクニック (MISP) は、イオンクロマトグラフで測定する際に手間のかかる試料の前処理を全て自動化します。不純物の除去、設定した濃度への希釈、設定したサンプル量を濃縮カラムを利用して濃縮、試料のpH調整&中和化など、さまざまな前処理を自動化できます。
メトローム インラインサンプル前処理テクニック(MISP) は、手作業で行っていたイオンクロマトグラフのサンプル前処理操作を自動化します。
MISPはメトロームが開発した手法で、不純物の除去、濃縮、希釈、pH調整、中和化といった、手間と時間がかかる作業を完全自動化します。サンプル注入作業を改善するだけでなく、分析結果の正確さ、再現性も向上します。
- 液体、粘性の高いサンプル、固体、および気体サンプルの全自動インラインサンプル前処理
- 分析カラムの寿命を延長
- 消耗品の消費を削減
- 自動化により時間節約と再現性ならびに精度向上
- ウルトラトレース分析も可能
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自動サンプル前処理:簡単&迅速
メトロームのインラインサンプル前処理システムにより、サンプルの前処理工程を格段に簡単にすることができます。同時に分析結果の精度と再現性を向上させながら、サンプル処理速度も大幅に向上します。
さらに、メトロームの自動化されたイオンクロマトグラフを使用すると、フルループタイプ、内蔵ループタイプ、メトローム インテリジェントパーシャルループ(MiPuT)、メトローム インテリジェントピックアップインジェクション(MiPuT)といった各種自動サンプル注入システムを利用できます。これらは、分析をさらに効率化させて、予備濃縮やマトリックスの除去といったインラインサンプル前処理とも組み合わせることができます。
簡単&迅速:自動サンプル前処理
メトロームインラインサンプル前処理(MISP)テクニックを利用すれば、サンプル前処理が驚くほど容易になります。サンプル処理能力が向上し、分析と分析結果の正確さと再現性も向上します!
また、自動メトロームICは、フルループ、インターナルループ、メトロームインテリジェントパーシャルループインジェクションテクニック(MiPT)、メトロームインテリジェントピックアップインジェクションテクニック(MiPuT)と、高度な注入の種類も問いません。予備濃縮あるいはマトリックス除去の目的でインラインサンプル前処理を組み合わせて、分析効率を上げることも可能です。
MISPテクニック | どんなことができるか | 利点は? |
---|---|---|
メトローム インライン ウルトラフィルタレーション | サンプル注入と直接フィルタレーションを組み合わせ、サンプル中の粒子を除去 | 全自動サンプルフィルタレーション(0.2 µm)により、特に高スループットのルーチン分析で時間と費用を節約。インライン希釈を組み合わせれば、さらに効率が向上 |
メトローム インライン ダイアリシス | 分析サンプル中の粒子、油滴、コロイドを除去 | 乳製品や体液などのサンプルを全自動で前処理し、人の介入、保守費用を最小限に抑える |
メトロームインライン希釈 |
あらかじめ定めた濃度限界、または自動計算された最適な希釈率に、サンプルを自動的に希釈 | サンプルの初期濃度にかかわらず、正確で信頼性の高い結果が得られます。自動校正および多段階希釈も可能 |
メトロームインライン抽出 | 非極性有機相中の水溶性化合物を水相に移送して、注入可能にします(インラインダイアリシス後) | 非極性の有機サンプルの水溶性化合物のイオンクロマトグラフ分析を容易にします。保守の手間も費用も低く抑える |
メトロームインラインマトリックス 除去 | イオン性検体を非荷電あるいは逆荷電マトリックスから分離 | サンプルカートリッジ(SPE)が不要で、廃棄物を最小限に抑えられます。ダイアリシスで除去できない微小なマトリックス(イソプロパノールなど)を除去 |
メトロームインライン中和化 | 陰イオンの分析への干渉を防ぐために、サンプルのpHを調整 | カラム寿命の延長 微量陰イオン分析を可能にする (インライン予備濃縮のの併用で) |
微粒子捕集装置 MARS (Metrohm AeRosol Sampler) |
気流よりエアロゾル粒子を捕集して IC ですぐに分析ができるよう水相に送り込みます | 陰陽両イオン測定できるイオンクロマトグラフにより水溶性の陰陽イオン性物質を直接測定 |
エアロゾル&ガスモニタリング装置(2060 MARGA) | 大気のエアロゾルおよび気体/気相中の水溶イオン性物質を捕集して、IC分析できるようにします。 | 陰イオン(SOx、NOx)および陽イオン(NH4+)を年中無休でリアルタイムで現場でモニタリング |
燃焼法イオンクロマトグラフィ(CIC) | 焼却炉内でサンプルを熱分解します。その結果発生したガス化合物を吸収液に転送し、ICで直接分析 | 燃焼したサンプルを自動でイオンクロマトグラフ測定 |
LC用815ロボテックソリップレップ | 固体および液体サンプルを、ICで直接分析ができるよう、粉砕、抽出、希釈、ろ過 | サンプル前処理の自動化で時間と費用を削減しICやHPLCで測定 |
メトローム インテリジェントパーシャルループ インジェクションテクニック(MiPT) |
未希釈のサンプルの注入量を2~200 µLの間で最適量に調整。ドジーノを用いれば、高精度のドージングが可能 | 1種類の濃度の標準溶液で複数プロットのキャリブレーションデータを作成 |
メトローム インテリジェントピックアップインジェクションテクニック(MiPut) | 1 ~60 µLの間で自動サンプル注入 | 少量から大容量も出サンプルを自動注入 |
メトロームインテリジェント予備濃縮テクニック(MiPCT) | あらかじめ設定された、あるいは自動計算された最適な予備濃縮量で予備濃縮カラムに検体を保持 | 1:1,000,000 (ng/L to mg/l) までのサンプル自動濃縮 |
マトリックス除去によるメトロームインテリジェント予備濃縮テクニック(MiPCT-ME) | MiPCTとインラインマトリックス除去(ME)を組み合わせた高性能サンプル前処理 | 低濃度の高イオン性マトリックスの正確で高感度の検出。MiPCT-MEを用いれば、4 µL~20 mLのあいだで予備濃縮 |
インテリジェント注入テクニック | 何をするの? | 利点は何? |
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メトローム インテリジェントパーシャルループテクニックン (MiPT) | サンプルの濃度に合わせて注入容量を自動調整してくれます。希釈されていないサンプルを2〜200 µLの最適な量に調整します。 ドジーノ電動ビュレットを使用すると、高精度で正確な投与が可能になります。 | 多点検量線の作成は、1種類の標準試料を使うだけで行えます。注入量は自由に調整できます。μg/L~mg/Lの間で濃度を調整することができます。サンプル容量は、1:10,000の幅でサンプル濃度を自動で調整できます。手作業により煩雑で手間のかかる作業がなくなります。 |
メトローム インテリジェントピックアップテクニック (MiPut) | わずか数μL のサンプル量を自動採取して測定するシステムです。4〜60 µLの範囲で最小限の柔軟なサンプル量を供給・注入します。 | サンプルロスがなくなります。必要な注入量より少しだけ多く用意してください。1種類の標準試料を使用して自動多点検量性を作成するのに利用できます。メンテナンスが必要なく、時間やコスト削減に貢献します。 |
メトロームインテリジェント予備濃縮テクニック (MiPCT) | 短いカラム(濃縮カラム)内でサンプル溶液を保持させる方法です。サンプルループのインジェクター部に取り付けます。インジェクターが切り替わった際に、濃縮されたサンプル溶液は、分離カラムへ送られます。サンプルの濃縮比率は、1:1,000,000(ng/L~mg/L)まで可能です。 | サンプル容量が大きくても行えます。ドジーノ電動ビュレット(例;5mLビュレット)を使用してMiPCTを行えば44,000μLのサンプル溶液の濃縮や、1種類の標準溶液だけで多点検量線の自動作成や、サンプル容量のロジカル調整などが行えます。 |
マトリックス除去付きメトロームインテリジェント濃縮テクニック(MiPCT-ME) | MiPCTとインラインマトリックス除去(ME)を組み合わせた高性能サンプル前処理。 | MiPCTと似ていますが、さらにインラインマトリックス除去の機能がつきます。高い濃度で余計なイオンマトリックが含まれているサンプル中の低濃度イオンの分析に適しています。4μL~20mLまで濃縮量に対応します。 |
ICに関するお問い合わせは、メトロームジャパンまでご連絡ください。 e-mail : metrohm.jp@metrohm.jp