AN-T-231
2022-11
正滴定による非水溶媒液中のカフェイン測定 (非水滴定)
Fast and accurate potentiometric determination of caffeine in nonaqueous samples
概要
カフェインは、コーヒー、紅茶、緑茶、コーラ、マテ茶、ガラナ、エナジードリンク、そして少量ではあるがココアやチョコレートなど、多くの食品に含まれる天然物質です。
化学的に言えば、カフェインは弱塩基と見なされます。強酸を滴定液として使用すれば、非水溶媒中で正確に滴定することができます。非水溶媒中で最も強い酸は、氷酢酸中の過塩素酸(HClO4)です。
逆滴定ではなく、正滴定で非水溶媒中のカフェインを正確に測定できます。高濃度のカフェインサンプル (医薬品など) や水に不溶なサンプル (化粧品やオイルなど) でも、この方法で正確に滴定が行えます。
この技術資料では、dSolvotrode電極を使用して OMNIS 自動滴定装置で直接滴定をおこない、非水サンプル中のカフェイン含有量を正確に測定しています。
サンプルとサンプル前処理
このアプリケーションでは、カフェイン標準試料、ガラナ抽出濃縮物、ホホバ化粧品オイルを使用しました サンプル前処理は特に必要ありません。
実験
図1.
酢酸溶媒の氷酢酸滴定液によるカフェイン標準試料(表1)の滴定カーブ
適量のサンプルを秤量して滴定ビーカーに入れます。次に、氷酢酸、無水酢酸、およびトルエンを加えます。サンプルを攪拌しながら過塩素酸(酢酸溶媒)滴定液で最初の当量点の後まで滴定します (図1)。測定は、dSolvotrode電極を使用したOMNIS 自動滴定装置を使用しました (図 2)。
Figure 2.
非水サンプル中のカフェイン含有量を測定するための dSolvotrode 電極を備えた OMNIS 自動滴定装置。
結果
図1.に示すように、この方法では非常に正確な結果が得られます。
サンプル (n = 6) | カフェイン % | SD(rel) in % |
カフェイン標準試料 | 100.5 | 0.7 |
ガラナ抽出濃縮物 | 54.1 | 2.9 |
ホホバ化粧品オイル | 0.4 | 4.7 |