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AN-T-004

2020-05

滴定装置による食肉中の塩分(塩化ナトリウム)をサンプル前処理から完全自動測定

Fully automated sample preparation and analysis based on ISO 1841-2


概要

製品の品質を維持するために、食肉製品中の塩化ナトリウム含有量を監視する必要があります。これは、各公衆衛生当局が定めた制限値を超えてはならないためです。食品中の塩化物含有量は塩分含有量と相関があるため、その測定方法はさまざまな規格や標準に記載されています。しかし、食肉サンプルの前処理には、ミキサーによる均質化や水を用いた塩化物抽出が必要であり、時間がかかります。

作業負担を軽減し、サンプル処理のスループットを向上させるために、本アプリケーションノートでは、ISO 1841-2 に基づいた銀滴定による食肉製品中の塩化物の全自動電位差滴定法を紹介します。また、Polytron ホモジナイザーを用いた全自動サンプル前処理についても解説しています。


サンプルとサンプル前処理

この実験では、さまざまな食肉製品(ポークソーセージ「リヨナー」およびカレー風味のチキンブレスト)で測定を行います。必要に応じて、肉の周りのスパイスクラストを取り除き、その後、サンプルを小さく切り分けます。


実験

OMNIS Sample Robot S, OMNIS Dosing Module and OMNIS Advanced Titrator equipped with dProfitrode and dAg-Titrode for the determination of chloride content.
図1. 塩化物含有量の測定のために、dProfitrode電極 および dAg-Titrode電極 を備えた OMNIS Sample Robot S、OMNIS Dosing Module、OMNIS Advanced Titrator を使用。

この滴定は、dProfitrode電極 および dAg-Titrode電極 を備えた OMNIS Advanced Titrator と OMNIS Sample Robot S で構成される自動滴定システムで実施されます。さらに、サンプル前処理には Polytron ホモジナイザーでサンプルを自動粉砕します。

適切な量のサンプルに水を加えます。pH を硝酸で 1.5 以下に調整した後、硝酸銀滴定試薬で滴定し、当量点を超えたところで終点とします。

電極およびビュレットの浸漬洗浄には、まず水を使用し、その後イソプロパノールを用います。その後、次のサンプルの測定前に、電極を 1 分間水中でコンディショニングします。


結果

この分析では、許容範囲内の結果と明確な滴定カーが得られました。結果と滴定カーブの例は、それぞれ表 1 および図 2 に示されています。

表 1. 自動 OMNIS システムを用いて測定した 2 種類の食肉製品の平均塩化物含有量 (n = 6)
サンプル 塩化物含有量 (mg/100 g サンプル) SD(rel) in %
ポークソーセージ「リヨナー」 1175.5 1.1
カレー風味のチキンブレスト 1158.1 0.8
図2. チキンブレストの塩化物測定における滴定曲線の例

結果

滴定は、ISO 1841-2 などの国際規格に基づき、食肉製品中の塩化物含有量を測定するための高精度で信頼性の高い方法です。

Polytron ホモジナイザーを搭載した OMNIS Sample Robot を使用することで、最大 4 サンプルを並行して全自動で前処理および塩化物測定が可能になり、精度の向上に加え、オペレーターの貴重な時間を節約し、ラボの生産性を向上させます。

また、OMNIS システムはニーズに応じたカスタマイズが可能であり、食品に関するその他の滴定アプリケーションにも拡張できます。

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