AN-K-068
2020-08
1台で水分測定と中和測定 - 電位差自動滴定装置&カールフィシャー水分計
Reliable and reproducible water content determination in parallel to an aqueous potentiometric titration
概要
容量法カールフィッシャー水分計による水分測定は、世界でも最も重要な分析法の一つです。OMNISタイトレーターとOMNISサンプルロボットから構成されるOMNISシステムは、様々な製品およびマトリックスにおける水分の完全自動測定が可能です。OMNISサンプルロボットは、複数の異なる滴定を同時に行うことができます。この技術資料では、同じシステムで中和滴定と同時に行われた容積法カールフィッシャー水分測定の測定結果を説明します。水分測定は同時に行われている水溶液を用いた滴定から影響を受けないため、同じ自動システム上で電位差自動滴定とカールフィッシャー水分測定を組み合わせることができます。
動画御覧いただけます。
サンプルとサンプル前処理
この実験は、水分濃度が15.71%±0.07%である酒石酸ナトリウム二水和物(認証標準物質)で検証されています。また、サンプル準備は必要ありません。
実験
測定は、Dis-Cover機能を備えたOMNISサンプルロボットS、OMNISドージングモジュール、およびOMNIS プロフェッショナル滴定装置で行われます。(滴定装置には容量法カールフィッシャー水分測定用の指示電極および中和滴定用のpH電極が装備されています。)
サンプルが秤量されたサンプルビーカーにDis-Coverのフタをしてラックに置きます。自動的に、OMNISサンプルロボットはサンプルビーカーをワークステーションに運び込み、水分測定の直前にビーカーのフタを外し、容量法カールフィッシャー用の溶媒が添加され、終点まで滴定されます。
並行して、同じOMNISサンプルロボットの2番目のワークステーションで中和滴定を実行しました。
結果
中和滴定を同時に行いましたが、ここでは水分測定結果の再現性に焦点を当てているため、水分測定結果のみを示します。水分濃度は、再現性のある結果が得られます。測定された酒石酸ナトリウム二水和物の水分測定結果は15.67%(n=6、変動係数SD(rel)=0.3%)でした。これは認証値の許容範囲内でした。
結論
カールフィッシャー水分測定は、サンプルの水分濃度を測定するための正確で信頼性の高い方法です。 この実験では、自動OMNISシステムでの電位差自動滴定に加えて、水分濃度の同時測定が可能であることを示しています。 電位差自動滴定は、容量法カールフィッシャー水分測定を妨げることはありません。
同じOMNISシステムで容量法カールフィッシャー水分測定と並行して水溶液を用いた滴定を実行しながら、信頼性の高い水分測定が可能です。
Internal reference: AW ISE CH-0180-122021