AN-NIR-103
2023-04
近赤外分光法によるチョコレートバーの品質管理
Simplified determination of calories, fat, saturated fat, carbohydrates, sugar, and protein
概要
食品の生産には、その品質を保証し、消費者を守るために厳しい品質管理が必要です。チョコレートのような菓子製品は、規制を満たし、一貫した品質を確保するために、最終製品の管理が義務付けられていて、特に贅沢品にとっては重要となります。
近赤外分光法(NIRS)は、いかなる試料調製も必要とせず高速で、化学薬品を使用しない、チョコレートバーの多くの重要な品質管理パラメータを決定するための分析法です。NIRS分析計は使いやすく、品質管理試験室でも現場に近い環境でも利用できます。
実験装置
メトローム社製DS2500 Solidアナライザー上で、様々なサプライヤのチョコレートバー18本を分析しました(Fig. 1)。チョコレートバーを試料窓上に直接置き、拡散反射モードで測定しました。各チョコレートバーを3つの異なる位置で測定し、平均化したスペクトルを検量線モデル開発に使用しました。データ取得および検量線モデル開発は、Vision Air Completeソフトウェアパッケージで実施しました。
Table 1. ハードウェアおよびソフトウェアの概要
製品名 | 品番 |
---|---|
DS2500 Solid アナライザー | 2.922.0010 |
Vision Air 2.0 Complete | 6.6072.208 |
Figure 1.
メトローム社製DS2500 Solidアナライザーとチョコレートバー
結果
得られたVis-NIRスペクトル(Fig.2)を用いて、複数のパラメータの検量線モデルを作成しました。バリデーションにはクロスバリデーションを用いました。Vis-NIRの予測値と参考値との関係を示す相関図を、それぞれの統計値(Figure Of Merit, FOM)とともにFig.3~Fig.8に示します。
Figure 2.
チョコレートバー試料のVis-NIRスペクトル(スペクトルオフセット適用済み)
チョコレートバーのカロリー
Figure 3.
チョコレートバーのカロリーの相関図と各統計値
チョコレートバーの脂肪量
Figure 4.
脂肪の相関図と各統計値
チョコレートバーの飽和脂肪量
Figure 5.
飽和脂肪の相関図と各統計値
チョコレートバーの炭水化物量
Figure 6.
炭水化物の相関図と各統計値
チョコレートバーの糖分
Figure 7.
糖分の相関図と各統計値
チョコレートのたんぱく質量
Figure 8.
たんぱく質の相関図と各統計値