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ポリビニルアルコール(PVA)は、毒性が低く、タンパク質の付着が少なく、フィルム形成特性が良いので、さまざまな医療製品(点眼薬など)に使用されています。PVAは、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体を形成する線状高分子です。アルコール分解の程度は、分子内でアクセス可能な全官能基と比較したヒドロキシル官能基の割合です。これは、製品の水溶性、粘度、および接着性の重要な指標となります。

 

従来のアルコール添加による分解測定では、各サンプルの重量を量り、溶解し、加熱し、冷却し、滴定する必要があります。この手順は、サンプルごとに最大6時間かかる場合があります。この一次的なメソッドに比べると、近赤外分析計による分析ではたった1分しかかかりません。以下の技術資料では、近赤外分光法によるアルコール添加による分解の度合の測定について説明されています。アルコール分解とは別に、酢酸ナトリウムと揮発性物質の測定も同時に行うことが可能です。

DS2500 Solidアナライザを使用して、PVAポリマーのスペクトルを収集しました。
Figure 1. DS2500 Solidアナライザを使用して、PVAポリマーのスペクトルを収集しました。

Metrohm DS2500 SolidアナライザをVisionAir Completeソフトウェアと組み合わせて使用して、18の異なるサンプルバッチから54のスペクトルを収集しました。サンプルの不均一性を克服するために、大きなサンプルカップを回転させて測定を行いました。基準(リファレンス)値は滴定により得られました。アウトライヤー(外れ値)の検出は、前処理された二次微分スペクトルの波長空間アルゴリズムの最大距離で検出されました。NIRS予測モデルは、次の表で説明する設定で作成され、クロスバリデーション(内的交差確認)を使用して検証されました。

前処理 アルゴリズム 検証タイプ
二次微分 PLS回帰 クロスバリデーション
Figurer 2. アルコール分解の程度の異なるPVAサンプルの近赤外スペクトル。

得られた相関グラフは高い相関(R2 = 0.98)NIRSによって予測されたアルコール分解度と従来分析値の相関。SECとSECVのクロスレシオ(10%以下)は、この方法が有効であることを証明しています。

#ファクター R2 SEC SECV
3 0.98 0.24% 0.25%
Figure 3. NIRS対従来分析法によって予測されたアルコール分解度の相関グラフ。
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