AN-T-136
2020-08
電位差自動滴定装置によるエポキシ樹脂のエポキシ当量(EEW)の測定
Reliable determination according to EN ISO 3001 and ASTM D1652 by potentiometric titration
概要
エポキシ樹脂のエポキシ含有量は、樹脂の反応性および樹脂硬化プロセスによって得られるコーティングの特性に強く影響を与えます。そのため、エポキシ含有量は、メーカーおよび消費者にとって重要な品質管理指標となります。
エポキシ含有量の分析は、サンプル中のエポキシ基と臭化水素の反応に基づいています。臭化水素は、臭化テトラエチルアンモニウム(TEABr)と過塩素酸滴定溶液との反応によって生成されます。
規格 EN ISO 3001 および ASTM D1652 では、エポキシ含有量をエポキシ当量(EEW)として滴定によって測定する方法が定められています。手動滴定の代わりに電位差自動滴定装置 タイトランドとSolvotrode easyClean電極を使用することで、測定の再現性および反復性が大幅に向上します。
サンプルとサンプル前処理
このアプリケーションは、2成分混合接着剤のエポキシド当量を測定しています。サンプルの前処理は不要です。
実験
この非水滴定は、スターラーと指示電極としてSolvotrode easyClean電極、905 タイトランド 電位差自動滴定装置で行います。
サンプルを滴定ビーカーに秤量し、クロロホルムまたはジクロロメタンに溶解させます。その後、TEABr反応溶液と氷酢酸を添加し、過塩素酸滴定溶液で終点を超えるまで滴定を行います。
測定結果
この分析では、許容範囲内で再現性のある測定結果と明確な滴定曲線が得られました。テストした2成分混合接着剤のエポキシ当量(EEW)は 186.35(n = 3、SD(rel) = 0.98%)と算出されました。滴定曲線の一例を図2に示します。
結論
エポキシ樹脂のエポキシ当量(EEW)の測定は、電位差自動滴定装置 905タイトランドを使用することで容易に実施できます。非水滴定に適した Solvotrode easyClean電極 を使用することで、信頼性の高いエポキシ当量(EEW)測定が可能となります。フレキシブルなスリーブダイヤフラムにより洗浄も容易です。適切な電極を使用することで、測定結果の精度と信頼性が大幅に向上します。したがって、規格 EN ISO 3001 および ASTM D1652 に基づくエポキシ樹脂中のエポキシ含有量の信頼性の高い測定が、簡単に実施可能となります。
Internal reference: AW TI CH1-1169-052014